やさしいせかい。
ふと、とある人の横顔を見て。
「ねえ、あの人、あんなに優しい目をしてたっけ?」
そう、隣で呑む友人に訊ねるほど、
その人の目はとても優しかった。
向けられてる対象がそうさせているのかと思ったけど、何を見てるときも、わたしと話すときもそうだったから、
多分もともと優しい目をしてる人で
わたしがそれに気付いてなかっただけのこと。
「そうだよ。わたしの知ってるあの人はあの目」と、友人も言うし。
色眼鏡が外されるような出来事があってから、ほんとうに世界がまばゆい。
どこか敵視していた男性の皆々さまはほんとうに優しいし、女性の皆々さまは美しい。
空の青も海の碧もこんなに綺麗だったかな?とおもうほど。
最近もろもろの感覚が本当に、一部過敏過ぎやしないかってくらい鋭くなってきて
これは逆に生きづらいのではと考えたりもする。
何も知らず、感じずにいたら
楽に日々過ごせていたのではないか、とか。
でも、
知る前の日々に戻れることなどなく
そして、例えば、
吹く風が肌を滑る心地良さであったり
強い陽射しの眩しさであったり
ふとした眼差しの優しさであったり
そういった新し…くもない、今迄気付けなかっただけの宝物のような景色に囲まれることが出来るなら、多少の生きづらさなど引き受けようともおもうわけだ。
昨日は七夕。快晴。
月の引力を感じずにはいられない夜だったな。
夜道、満ちてゆく月。